・はじめに
歩行の際に必要な歩行補助具には様々な種類があります。
中でもよく使用されることが多いのは、1本杖と4点杖です。
1本杖はT字杖とも呼ばれます。
先に結論から言うと、
1本杖は杖がなくても歩けるレベル、4点杖は支えがないと歩けないレベルの方が対象になります。
以上のことを踏まえて解説していきます。
・1本杖とは
まず1本杖(T字杖)ですが、よく一般的に杖と呼ばれる代表の歩行補助具です。
持ち手の高さ調節やメンテナンスが必要になりますが、詳しい内容は過去の記事を参考にして下さい。↓
1本杖の特徴は、
・何も持たないよりは安定する
・歩行速度が速くても使いやすい
・軽くて折り畳みできるタイプも多い
といったところがメリットです。
しかし、デメリットもあります。
・接地面積が狭いため安定しない
・体重をかけ過ぎると倒れる
などが挙げられます。
なので、杖がなくても歩ける、または速歩きができる程度の身体機能がある場合には1本杖が適用になります。
地面に接する部分が1点しかないので自由に動きやすい分、頼りにし過ぎるとフラフラしやすいのが特徴です。
・4点杖とは
次に4点杖ですが、杖の足先が4つある杖のことで、4点の広さに種類があります。
4点の面積が広いほど安定しますが、面積が縦長のタイプもあります。
縦長の場合は、前後方向へのバランスがとりやすい構造になっている代わりに、横方向へのふらつきには対応しにくいのが特徴です。
4点杖のメリットは以下の通りです。
・支持面積が広いため安定する
・体重をかけても倒れない
・1歩ずつゆっくり安定して歩ける
しかしデメリットもあるため紹介します。
・1本杖よりやや重たい
・速歩きに対応できない
・頼り過ぎると倒れる
などが挙げられます。
面積が広い分、体重をある程度かけても安定しますが、過度に頼り過ぎるともちろん倒れます。
基本は上から真っ直ぐ下に体重をかけると安定する構造なので、斜め方向から体重をかけると上手く使えないのも特徴です。
結果的に、杖がなくてもある程度歩ける人にとってはやや使いにくく、支えがないと歩けない人が対象になる杖なのです。
また、4点杖で杖に体重をかけながら歩く癖がつくと、杖がない場合(自宅内や風呂場)に頼る場所がなくて転倒する、なんてリスクも絡んできます。
あくまで4点杖は支持する面積を増やすだけなので、杖に頼りきる癖がつかないよう日頃からリハビリをすることが必要な場合もあります。
似たような杖でも地面との接地面の広さによって機能が異なるため、使う人の歩行能力によって使い分ける必要があるんですね。
・最後に
1本杖と4点杖の違いについて解説しました。
どちらも共通するのが、歩行時の足の補助になる道具であり、使う人の歩行能力によって使い方が異なるということです。
歩行能力の細かい評価は理学療法士の得意分野です。
気になる方は相談してみて下さい。
以上で終わります(^^)
ありがとうございました!
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