ご高齢になってくると、ケガや病気をきっかけに足腰の筋力が衰えてしまい、転倒予防を目的に杖を使用する方は少なくありません。
そのなかでも杖の長さは非常に重要であり、長さを間違えるだけで歩き方が変わってしまったり、猫背の原因になってしまうこともあります。
今回は高齢者のために正しい杖の長さ・選び方について解説していきます。
一般的な杖の長さの選び方は
杖の長さの選び方にはさまざまな方法があります。
身長から計算する
杖の長さの目安として一般的に用いられている計算が
身長÷2+3cm と言われています。
伸長150cmの方であれば
150÷2+3cm=78cm となります。
長さの目安表も載せておきます!
長さの目安表(cm)
伸長 | 杖の長さ | 身長 | 杖の長さ |
140 | 73 | 160 | 83 |
142 | 74 | 162 | 84 |
144 | 75 | 164 | 85 |
146 | 76 | 166 | 86 |
148 | 77 | 168 | 87 |
150 | 78 | 170 | 88 |
152 | 79 | 172 | 89 |
154 | 80 | 174 | 90 |
156 | 81 | 176 | 91 |
158 | 82 | 178 | 92 |
肘の角度で調整する
杖の先っぽを身体の前方(約20cm)に置き、肘が30~40°曲がった位置が正しい位置となります。
(細かく測るのは難しいので、肘の曲がりが楽な姿勢という認識で大丈夫です。)
大腿骨のでっぱり(大転子)の位置で調整する
人間の大腿骨には大転子と呼ばれる部位があります。
ちょうど太ももの外側を上に軽く触れながら追っていくと、ポコッとした骨のでっぱりが大転子です。
その位置に杖の持ち手の位置を合わせると正しい位置となります。
猫背の方の杖の長さはどうすれば良いのか
猫背の方の場合、上記の方法で合わせてしまうと杖が長くなりすぎてしまい、歩きにくい長さとなってしまいます。
猫背の程度にもよるのですが、、、
だいたい一般的な合わせ方から2~3cm短く設定すると良いかもしれません。
また肘の角度も少し変わり、80~90°曲がった状態でも良いかもしれません。
なにより一番は腕をまっすぐ降ろし、肘の曲がりが窮屈でない位置を探すようにしましょう。
注意点
杖の長さを選ぶ際には普段使用している靴を着用して合わせるようにしましょう!
靴の底の厚さによって多少長さが変わってしまいますからね。
もちろん室内で杖を使用する場合には裸足での計測でかまいません。
まとめ
どうしてもケガや病気、筋力の衰えがあると、歩くことが控えめになってしまいますよね。
“歩きたくない”という気持ちは”歩きにくいから”という感情からでてくるものです。
少しでも杖を正しい長さで正しく使用すれば、歩くのも辛くなくなるかもしれません。
今回は教科書的に言われている長さの調節方法を紹介しましたが、なによりも一番は
違和感のない自然な位置を探すことが重要です。
いろいろな長さを試してみて最適な杖の長さを探していきましょう。
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